国家公務員扶養手当は2026年度いくら?子1万3,000円・配偶者廃止と所得要件を徹底解説
2026年度(令和8年度)の国家公務員扶養手当は、子1人につき月額1万3,000円に増額され、配偶者に対する扶養手当は廃止されました。さらに、2026年4月1日からは大学生年代の扶養親族に関する所得限度額が年額150万円に引き上げられています。令和7年度までの制度と比べると、子育て世帯の支給額だけでなく、家族の収入に関する判定基準にも変更が加わっています。
ただし、扶養手当は家族がいるだけで自動的に支給されるものではありません。扶養親族の範囲、本人の職務の級、家族の年齢、継続的な収入、届出の有無などによって支給の可否が変わります。人事院の公式資料と「一般職の職員の給与に関する法律」第11条、人事院規則9-80(扶養手当)を基に、2026年10月時点の支給額、改正の理由、所得要件、申請手続きを整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 支給額:2026年度は子1人につき月額1万3,000円。16歳年度初めから22歳年度末までの子には月額5,000円が加算され、合計1万8,000円となります。
- 配偶者・所得要件:配偶者分は2026年4月に廃止。大学生年代の扶養親族の所得限度額は年額150万円に引き上げられました。
- 申請手続き:扶養親族届を勤務先の人事・給与担当へ提出するのが基本です。年齢や収入の変化があった場合も、速やかな届出が必要です。
【2026年度最新】国家公務員扶養手当の支給額は?令和7年度との比較
2026年度の国家公務員扶養手当で最も大きな変更は、子に対する手当の増額と配偶者分の廃止です。人事院が公表した「国家公務員の諸手当の概要」(令和8年4月現在)では、子の支給額は月額1万3,000円、16歳年度初めから22歳年度末までの子に対する加算額は月額5,000円とされています。
令和7年度(2025年度)から令和8年度(2026年度)への変更を含め、主な支給額を比較すると次のとおりです。
| 扶養親族の区分 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|---|
| 配偶者(行政職俸給表(一)7級以下) | 月額6,500円 | 月額3,000円 | 支給なし |
| 配偶者(行政職俸給表(一)8級相当) | 月額3,500円 | 支給なし | 支給なし |
| 子(通常の支給額) | 月額10,000円 | 月額11,500円 | 月額13,000円 |
| 子(16歳年度初め~22歳年度末) | 月額15,000円 | 月額16,500円 | 月額18,000円 |
| 父母等 | 月額6,500円 | 月額6,500円 | 月額6,500円 |
| その他の対象となる扶養親族 | 従来の額 | 原則変更なし | 原則変更なし |
注:子の加算対象年齢の行は、通常の子の手当に月額5,000円を加えた合計額です。父母等の手当は、行政職俸給表(一)8級相当では月額3,500円、9級以上相当では支給されない場合があります。その他の扶養親族についても、職務の級などにより支給対象が異なります。
令和8年度に子1人について受け取れる基本額は月額1万3,000円です。加算対象となる子なら、月額1万8,000円になります。12か月分を単純計算すると、それぞれ年間15万6,000円、21万6,000円です。ただし、実際の受給額は認定された期間や支給開始・終了の時期によって変わります。
配偶者分の廃止は、2026年度から新たに始まった変更です。2025年度には、行政職俸給表(一)7級以下の職員について月額3,000円が残っていましたが、2026年度には支給されなくなりました。一方、子の手当は2024年度の月額1万円から、2025年度に1万1,500円、2026年度に1万3,000円へと段階的に引き上げられています。
なお、この金額は一般職の国家公務員に適用される給与制度を基準としています。特別職や別の給与制度が適用される職員については、個別の法令や勤務先の規定を確認してください。

【支給条件】誰が対象?国家公務員扶養手当の扶養親族の範囲
国家公務員扶養手当は、扶養親族を有する職員に対して支給される生活補助的な手当です。一般職の職員の給与に関する法律第11条と人事院規則9-80では、扶養親族の範囲や認定に関する基準が定められています。
重要なのは、親族関係があることだけでなく、対象者にほかに生計を維持する手段がなく、主として職員の扶養を受けていることです。主な対象は次のとおりです。
- 子:満22歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にある子。所得要件などを満たす必要があります。
- 孫:原則として満22歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にある孫。
- 弟妹:原則として満22歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にある弟妹。
- 父母・祖父母:満60歳以上の父母や祖父母など、法令上の要件に該当する親族。
- 重度心身障害者:法令上の要件を満たす重度の心身障害がある人。年齢だけで一律に対象外となる区分ではありません。
このうち、子と子以外の扶養親族では、支給額や年齢要件、職務の級による制限が異なります。孫や弟妹が扶養親族に該当するからといって、子と同じ月額1万3,000円が自動的に支給されるわけではありません。
また、2026年度からは配偶者分の扶養手当が廃止されています。配偶者の収入が少ないことや、配偶者を税法上の扶養に入れていることだけを理由に、国家公務員扶養手当の配偶者分が支給されるわけではありません。
さらに、職務の級による違いにも注意が必要です。人事院の資料では、行政職俸給表(一)8級相当の職員は父母等の手当が月額3,500円となり、9級以上相当の職員には子以外の扶養親族に係る手当が支給されない扱いが示されています。家族の年齢や収入だけで判断せず、職員本人の適用される俸給表と職務の級も確認してください。
【年収要件】大学生年代は年150万円まで?所得制限の変更点
2026年度の重要な改正の一つが、大学生年代の扶養親族に対する所得限度額の引き上げです。人事院は2026年2月13日に人事院規則9-80の一部改正を公布し、同年4月1日に施行しました。この改正により、大学生年代の扶養親族の所得限度額は年額150万円に引き上げられています。
従来の一般的な基準では、年額130万円以上の恒常的な所得があると見込まれる人は、原則として扶養親族の対象外でした。2026年度からは大学生年代に該当する扶養親族について、年額150万円を基準とする取扱いが設けられています。
ただし、年収150万円という数字だけを見て、すべての子や家族に同じ基準が適用されると考えるのは誤りです。大学生年代に該当するかどうか、収入が継続的なものかどうか、扶養の実態があるかどうかなどを含めて判定されます。
とくに押さえておきたいのは、16歳から22歳までの子に対する月額5,000円の加算と、大学生年代の所得限度額150万円は、同じ年齢区分の制度ではないという点です。
- 16歳年度初めから22歳年度末まで:子の扶養手当に月額5,000円を加算する年齢区分です。
- 大学生年代の所得限度額:19歳以上23歳未満に当たる年代を中心に、年額150万円の基準が適用される区分です。
- それ以外の扶養親族:大学生年代向けの特例がそのまま適用されるわけではなく、原則として通常の所得要件に基づいて判定されます。
例えば、16歳や17歳の子は、年齢要件を満たせば月額5,000円の加算対象になり得ます。しかし、それだけで所得限度額150万円の特例も適用されるわけではありません。加算の年齢要件と所得判定の年齢要件を分けて確認することが、制度を正しく利用するポイントです。
また、扶養手当の所得判定は、所得税の課税所得だけを見て決まるものではありません。人事院の「扶養手当の運用について」では、恒常的な所得として給与所得、事業所得、不動産所得などを挙げ、原則として年間の総収入金額を基に算定する考え方が示されています。事業所得や不動産所得などについては、必要と認められる経費を控除する取扱いがあります。
したがって、アルバイトをしている大学生の扶養認定を確認する際は、税法上の所得金額と、扶養手当で用いる収入判定を混同しないことが大切です。給与明細や年間収入の見込みを整理し、勤務先の人事・給与担当に具体的な判定方法を確認してください。

【廃止の理由】なぜ国家公務員の配偶者扶養手当はなくなった?
配偶者扶養手当の廃止は、単なる手当削減ではありません。人事院が進めた「給与制度のアップデート」の一環であり、配偶者の働き方に中立的な制度への転換と、子を持つ職員への生活費補助の充実を目的としています。
人事院の説明では、民間企業で配偶者に家族手当を支給する事業所が減少傾向にあり、公務においても配偶者に係る扶養手当を受給する職員が減っていることが、見直しの背景として挙げられています。
実際、人事院が公表した資料では、配偶者に係る扶養手当の受給者数は平成25年(2013年)の146,561人から、令和5年(2023年)の114,080人へ減少しています。こうした変化を踏まえ、配偶者の収入や就労状況に左右されにくい給与制度へと見直す方針が示されました。
もう一つの柱が、子に係る扶養手当の増額です。配偶者分の手当を段階的に廃止し、その財源を活用して子の手当を引き上げることで、子育てに伴う生計費の補助を充実させる考え方です。人事院は、少子化対策が進められている社会状況も、子の手当を拡充する背景として説明しています。
改正は受給者への影響を考慮して2年間かけて実施されました。2025年度には配偶者分の減額と子の手当の増額が進み、2026年度に配偶者分が廃止され、子の手当が月額1万3,000円となりました。
このため、配偶者を扶養していた職員の世帯では手当が減る一方、子を扶養する職員には増額の効果が生じます。ただし、世帯全体でどれだけ収入が変わるかは、扶養する子の人数や年齢、職員の職務の級、ほかの給与条件によって異なります。配偶者分の廃止だけを切り取って、すべての職員の給与が同じ額だけ減ったと考えるのは正確ではありません。
【申請手続き】国家公務員扶養手当を受け取るための届出方法
国家公務員扶養手当は、対象となる家族がいるだけで自動的に認定されるものではありません。職員は、扶養親族に関する所定の届出を行い、勤務先の給与担当者などによる認定を受ける必要があります。
人事院規則9-80と「扶養手当の運用について」では、扶養親族に関する届出や認定、支給の始期・終期などの取扱いが定められています。一般的な手続きの流れは次のとおりです。
- 扶養の事実を確認する:子の出生、家族の就職・離職、親族の年齢要件への該当など、扶養親族に関する事実を確認します。
- 扶養親族届を提出する:勤務先の人事・給与担当に、所定の様式と必要な書類を提出します。
- 必要書類を準備する:続柄、生年月日、収入、同居・別居の状況などを確認できる資料を用意します。具体的な提出書類は、認定事由や勤務先の運用によって異なります。
- 認定結果を確認する:支給対象として認定されたか、支給開始時期や支給額がどうなるかを確認します。
- 変更があれば再度届け出る:就職や収入増加などにより要件が変わった場合は、速やかに担当部署へ届け出ます。
届出書には、扶養親族の氏名、続柄、生年月日、同居・別居の別、所得の種類や金額、届出事由などを記載します。大学生年代の子について所得要件の確認が必要な場合は、年間収入の見込みを説明できる資料や、在学状況を確認できる資料などを求められることがあります。
注意したいのは、届出の時期です。扶養親族としての要件を満たすようになった場合、届出が遅れると支給開始の取扱いに影響することがあります。人事院規則の運用では15日という届出期間が関係するため、出生や就職などの事由が発生したら、必要書類を確認して速やかに提出することが重要です。
また、扶養親族が就職した場合や収入が増えた場合、年齢要件を満たさなくなった場合なども、認定内容の変更が必要になることがあります。届出をしないまま支給を受け続けると、認定の見直しや過払分の精算につながる可能性があるため、家族の状況が変わった際には早めに確認しましょう。

【プロの結論】2026年度の扶養手当で間違えやすい3つのポイント
2026年度の国家公務員扶養手当を理解するうえで、特に注意したいのは「税金の扶養」「社会保険の扶養」「給与上の扶養手当」を同じ制度として扱わないことです。それぞれ目的や認定基準が異なり、一方で扶養と認められていても、別の制度でも同じ結果になるとは限りません。
第一に、年収の基準は制度ごとに確認すること。扶養手当の年額130万円や大学生年代の年額150万円という基準を、所得税の扶養控除や健康保険の被扶養者認定にそのまま当てはめることはできません。税金や社会保険の制度にも変更があり得るため、目的に応じて別々に確認する必要があります。
第二に、子の加算と所得限度額を分けて考えること。16歳年度初めから22歳年度末までの子には月額5,000円が加算されますが、所得限度額150万円の特例は大学生年代の扶養親族を対象とする別の基準です。子の年齢だけでなく、収入の見込みや扶養の実態を確認してください。
第三に、家族の続柄だけで支給額を判断しないこと。子、父母、孫、弟妹などでは支給額や年齢要件が異なり、職務の級によって支給対象が制限される場合もあります。特に父母等を扶養している職員や、行政職俸給表(一)8級・9級以上相当の職員は、一般的な支給額だけで判断せず、適用される規定を確認する必要があります。
自分の世帯が対象になるかを判断する際は、①職員本人に適用される給与制度と職務の級、②扶養親族の続柄と年齢、③年間の恒常的な収入見込み、④主として職員が扶養している実態、⑤届出の状況、の順に整理すると、確認すべき点が明確になります。
【国家公務員扶養手当】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年度の国家公務員扶養手当は、子1人につきいくらですか?
A1:通常の支給額は月額1万3,000円です。16歳年度初めから22歳年度末までの子には月額5,000円が加算され、合計月額1万8,000円になります。支給には扶養親族としての認定が必要です。
Q2:大学生の子どもは年収150万円まで扶養手当の対象になりますか?
A2:2026年4月1日から、大学生年代の扶養親族の所得限度額は年額150万円に引き上げられています。ただし、年齢や収入の種類、扶養の実態などの条件も確認されます。また、所得税や社会保険の扶養基準とは別の制度です。
Q3:配偶者の扶養手当は2026年度から完全になくなったのですか?
A3:一般職の国家公務員に適用される標準的な制度では、配偶者分は2026年4月から廃止されています。2025年度までの月額3,000円などの経過的な支給は終了しました。特別な給与制度が適用される場合は、勤務先の規定を確認してください。
まとめ:2026年度の国家公務員扶養手当は支給額と所得要件の両方を確認
2026年度の国家公務員扶養手当は、子1人につき月額1万3,000円、16歳年度初めから22歳年度末までの子には月額5,000円の加算という制度になりました。一方、配偶者分は廃止され、大学生年代の扶養親族の所得限度額は年額150万円に引き上げられています。
制度を正しく利用するには、支給額だけでなく、扶養親族の範囲、年齢、収入、職務の級、申請手続きを合わせて確認することが欠かせません。とりわけ、大学生年代の所得要件と16歳から22歳までの加算要件は別々に判断する必要があります。
最新の取扱いを確認する際は、人事院の「国家公務員の諸手当の概要」(令和8年4月現在)、人事院規則9-80(扶養手当)、同規則の改正資料、そして一般職の職員の給与に関する法律第11条を基準にしてください。実際の認定や必要書類については、勤務先の人事・給与担当に確認することが、支給漏れや過払いを防ぐ確実な方法です。
主な参照資料:人事院「国家公務員の諸手当の概要」(令和8年4月現在)、人事院規則9-80(扶養手当)の一部改正資料(2026年2月13日公布・4月1日施行)、人事院「扶養手当の運用について」(2026年4月改正)、人事院月報2025年4月号、一般職の職員の給与に関する法律第11条。 (出典: 国家 公務員 扶養 手当(Yahoo!ニュース))