看護師セクハラの実態と具体例・対処法を徹底解説、2026年10月の新義務も整理
看護師へのセクシュアルハラスメントは、患者からの身体への不必要な接触や性的な発言だけでなく、患者の家族からの嫌がらせ、医師や上司による職場内のセクハラ、看護実習中の被害など、さまざまな場面で起こり得ます。「患者だから強く断れない」「仕事に支障が出るのが怖くて相談できない」と悩む看護職員や看護学生にとって、被害を受けたときの具体的な対応と相談先を知っておくことは重要です。
日本看護協会が公表した「2025年看護職員実態調査」では、回答した看護職員のうち、過去1年間に勤務先や訪問先などで暴力・暴言・ハラスメントを受けた経験がある人は49.3%に上りました。さらに、2026年10月1日には、顧客等によるカスタマーハラスメントと求職者等に対するセクシュアルハラスメントについて、事業主の防止措置が義務化されています。医療現場で何がセクハラに当たり、どのように記録・相談し、病院には何が求められるのか。公的資料と最新の調査結果を基に整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 実態:日本看護協会の2025年調査では、ハラスメントを経験した看護職員の65.4%が、意に反する性的な言動も経験したと回答しています。
- 対処法:危険な状況から離れ、日時・場所・発言・行為・目撃者などを記録し、上司や院内窓口、外部相談機関につなげることが基本です。
- 2026年の法改正:10月1日から患者等によるカスタマーハラスメント対策と、求職者等に対するセクハラ対策が事業主の義務になりました。
【2026年最新】看護師セクハラの実態は?患者・家族・職場内の被害をデータで検証
看護師セクハラの実態を把握するうえで重要なのが、日本看護協会による「2025年看護職員実態調査」です。同調査は2025年10月1日から11月12日まで実施され、無作為抽出した会員13,633人に回答を依頼し、4,430人の有効回答を得ています。有効回収率は34.5%でした。
同調査では、過去1年間に勤務先や訪問先などで暴力・暴言・ハラスメントを受けた経験があると回答した人は、全体の49.3%に当たる2,185人でした。その2,185人のうち、意に反する性的な言動を受けたと回答した人は1,429人、65.4%です。
65.4%という数字は、調査に回答した全看護職員に占める割合ではなく、何らかの暴力・ハラスメントを経験した人の中での割合です。この分母の違いは、データを正しく読み取るために欠かせません。
さらに、性的な言動を受けたと回答した1,429人に加害者を尋ねた結果は、次のとおりでした。複数回答のため、割合の合計は100%になりません。
| 相手 | 回答人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 患者・利用者 | 1,060人 | 74.2% |
| 患者・利用者の家族 | 272人 | 19.0% |
| 上司(看護職) | 357人 | 25.0% |
| 医師 | 357人 | 25.0% |
| 同僚(看護職) | 125人 | 8.7% |
出典:日本看護協会「2025年看護職員実態調査 報告書」表65。性的な言動を経験したと回答した人を対象とする複数回答。
注目すべきなのは、患者・利用者だけでなく、その家族や医師、看護職の上司からの被害も報告されている点です。看護師セクハラは、患者対応に限られた問題ではありません。
ただし、この調査は日本看護協会の会員を対象とするもので、看護職員全体を完全に代表する統計ではありません。また、ここで示した数字だけでは、個々の施設の発生率や、被害が起きた具体的な状況までは分かりません。それでも、患者対応と職場内の両方で対策が必要であることを示す重要な資料です。

【具体例】看護師セクハラはどこから?患者・家族・医師・上司による行為
セクシュアルハラスメントかどうかを考えるとき、性的な意図があったかどうかだけで判断するのは適切ではありません。本人が冗談のつもりだったとしても、相手の意に反する性的な言動によって就業環境が害されたり、拒否したことで不利益を受けたりする場合は、問題として扱う必要があります。
患者から看護師へのセクハラ
患者のケアでは身体に触れる場面があるため、必要な医療・看護行為と不必要な接触を区別することが重要です。患者からの被害としては、次のような行為が考えられます。
- 看護師の身体や容姿について性的な発言を繰り返す。
- ケアに必要のない身体への接触や、意図的に性的な部位に触れる行為をする。
- 食事やデートに執拗に誘い、断っても繰り返し要求する。
- 個人的な電話番号やSNSアカウントをしつこく尋ねる。
- 性的な要求を拒否すると、苦情を申し立てる、担当を交代させるなどと圧力をかける。
患者に病気や認知機能の低下がある場合には、症状や状況を踏まえた医療上の判断が必要になることもあります。しかし、背景事情を評価することと、看護師が危険や苦痛を我慢し続けることは別問題です。安全を確保し、チームで対応することが求められます。
患者の家族からのセクハラ
患者本人だけでなく、面会に来た家族や付き添いの人による性的な言動も、看護師にとって深刻な問題になり得ます。
- 看護師の容姿や体型について性的な評価をする。
- 個人的な交際を迫ったり、勤務外に会うよう繰り返し求めたりする。
- 業務連絡の範囲を超えて個人の連絡先を尋ね、私的なメッセージを送る。
- 性的な要求を断った看護師に対し、担当交代や病院への苦情をほのめかす。
家族からの要望がすべてハラスメントに当たるわけではありません。治療内容や看護対応について説明を求めることと、性的な要求や不必要な接触は区別する必要があります。判断に迷う場合も、個人だけで抱えず、管理者に事実を共有してください。
医師・上司・同僚による職場内のセクハラ
職場内では、患者対応とは異なる力関係が問題になります。たとえば、医師や上司が性的な冗談を繰り返す、身体に不必要に触れる、断っているのに交際を迫る、性的な要求を拒否した職員の配置や評価に不利益を与えるといった行為です。
上下関係がある職場では、被害を受けた側が「断ったら勤務に影響するのではないか」「周囲から協調性がないと思われるのではないか」と考え、相談をためらうことがあります。しかし、職務上の立場を利用した性的な要求や、拒否したことを理由とする不利益な取扱いは、見過ごしてよい問題ではありません。
看護実習中のセクハラ
看護学生も、実習先の職員や指導者から性的な冗談を言われる、容姿について不必要に言及される、私的な食事や交際に執拗に誘われるなどの被害に遭う可能性があります。実習評価や今後の就職への影響を心配し、声を上げにくい立場に置かれることも考えられます。
看護実習中に問題が起きた場合は、実習先の担当者だけでなく、所属学校の実習担当教員、学生相談窓口、キャリアセンターなどにも相談できます。実習先の内部だけで解決しようとせず、学校側にも事実を伝え、実習環境や評価への影響を含めて対応を求めることが大切です。
【セクハラの定義】対価型・環境型の違いと、被害が起こる構造的な原因
職場におけるセクシュアルハラスメント対策の根拠となるのが、男女雇用機会均等法第11条です。同条は、事業主に対して、職場における性的な言動によって労働者が不利益を受けたり、就業環境が害されたりすることを防ぐため、相談体制の整備など必要な雇用管理上の措置を講じるよう義務づけています。
厚生労働省が示す職場のセクシュアルハラスメントは、大きく「対価型」と「環境型」に分けて理解できます。
対価型セクシュアルハラスメント
対価型とは、性的な言動に対する労働者の対応を理由に、解雇、降格、減給、配置などで不利益を受けることです。
たとえば、上司からの交際要求を断った結果、不当な配置転換をされたり、性的な要求に応じないことを理由に評価を下げられたりするケースが該当し得ます。性的な要求に応じることが、仕事を続けるための条件のように扱われる点が問題です。
環境型セクシュアルハラスメント
環境型とは、性的な言動によって就業環境が不快なものとなり、労働者の能力発揮に重大な悪影響が生じることです。
たとえば、職場で性的な冗談が繰り返される、本人の意に反して身体に触れられる、性的な画像やメッセージを送りつけられるといった行為が、職場環境を害する場合です。明示的な脅しや減給がなくても、問題になり得ます。
なお、個々の行為が法的にセクシュアルハラスメントに該当するかは、言動の内容、状況、継続性、当事者の関係などを踏まえて判断されます。法的な分類が確定していない段階でも、職場として安全確保や相談対応を始めることは可能です。
なぜ看護現場では被害を訴えにくいのか
看護現場では、患者の身体に接近するケアが日常的にあり、患者や家族と継続的に関わります。こうした業務上の特性に加え、人員配置や夜勤、訪問看護での一人対応、職場内の上下関係などが重なると、被害を受けた職員がその場で拒否したり、すぐに応援を求めたりすることが難しくなる場合があります。
また、「患者の希望には応えるべきだ」「接遇の一環として受け流すべきだ」といった誤った考え方が、ハラスメントを個人の我慢に押しつける原因になります。患者の尊厳や適切な医療を守ることは、看護師の尊厳と安全を犠牲にすることを意味しません。
必要なのは、被害を受けた看護師の対応力だけに頼るのではなく、組織として対応基準を設け、報告しやすい環境を整え、問題が起きた際に一人で対応させない仕組みをつくることです。

【実践ガイド】看護師がセクハラ被害を受けたときの対処法と証拠の記録方法
セクハラを受けた直後は、驚きや恐怖で何が起きたのかを整理できないこともあります。すぐに適切な言葉で拒否できなかったとしても、被害を訴える資格がなくなるわけではありません。自分の安全を優先し、可能な範囲で記録と相談を進めてください。
ステップ1:その場の安全を確保する
身体に触れられる、性的な要求を繰り返される、威圧されるなどの状況では、可能であれば距離を取り、同僚や責任者を呼んでください。危険を感じる場合は、その場を離れることを優先します。
安全に意思表示できる場合には、「その行為はやめてください」「業務に関係のない個人的な要求には応じられません」など、簡潔に伝える方法があります。ただし、相手が興奮している場合や暴力の危険がある場合に、無理に一人で抗議する必要はありません。
ステップ2:日時・場所・発言・行為を記録する
セクハラの証拠を記録する際は、後から事実関係を確認できるよう、できるだけ具体的に残すことが大切です。記憶が新しいうちに、次の項目を整理しましょう。
- 日時:発生した年月日と時刻、継続した時間。
- 場所:病室、ナースステーション、面談室、訪問先など。
- 相手:相手の氏名や立場など、事実確認に必要な情報。
- 具体的な言動:実際に言われた言葉、触れられた部位、行為の内容、回数。
- 目撃者:その場にいた職員や、直後に状況を確認した人。
- その後の対応:誰に報告したか、相手の反応、勤務や体調への影響。
「不快だった」「怖かった」という気持ちも記録して構いません。そのうえで、実際に起きたことと、自分が感じたことを分けて書くと、後から事実関係を説明しやすくなります。記憶が曖昧な箇所は、推測で補わず、曖昧であることをそのまま記録してください。
ステップ3:メッセージや音声などの資料を保全する
SMS、メール、SNSのメッセージなどがある場合は、送信者、日時、会話の前後関係が分かる形で保存します。スクリーンショットだけでなく、可能であれば元のメッセージも消さずに残しておきましょう。
録音や防犯カメラの映像などが関連する場合は、院内規程や個人情報保護に配慮しながら、保存の可否や手続きを確認します。防犯カメラの映像は保存期間が限られることもあるため、必要な場合は管理者に早めに保全を依頼してください。
一方、患者の診療記録や個人情報を個人のスマートフォンへ無断で持ち出したり、被害の証拠をSNSで公開したりすることは避けてください。証拠の保全は、院内の正式な報告手続きや、必要に応じて外部の専門機関への相談を通じて進めるのが基本です。
ステップ4:院内の窓口や管理者に報告する
相談先としては、看護師長、所属長、人事・労務担当者、ハラスメント相談窓口、安全管理部門などが考えられます。相手が直属の上司や医師である場合は、その人物を経由せずに相談できる窓口を選んでください。
報告する際は、事実関係だけでなく、今後どのような対応を希望するかも伝えましょう。たとえば、担当の変更、複数人での対応、勤務場所の調整、相手との接触機会の制限、相談内容の秘密保持などです。
患者・家族からの被害については、個人の対応だけで終わらせず、インシデント報告や患者対応記録など、施設の正式な仕組みに沿って情報を共有します。診療上必要な情報と職員の安全に関する情報を、適切な範囲で管理することが重要です。
ステップ5:対応が不十分なら外部に相談する
院内で相談しても対応してもらえない場合や、相談相手が加害者と近い関係にある場合は、外部の相談機関を利用できます。相談したことを理由とする不利益な取扱いも、許されるものではありません。
被害の記録が十分にそろっていなくても、相談を始めることは可能です。まずは「いつ、どこで、何があったか」「現在どのような危険や困りごとがあるか」を説明し、今後の対応について助言を求めてください。
【相談窓口と再発防止】病院に求められるハラスメント防止措置とは
看護師セクハラを防ぐためには、被害者が個人で解決することを前提にしない体制が必要です。厚生労働省は、医療機関で患者・家族による暴言や暴力などの迷惑行為に組織的に対応できるよう、対応マニュアルや研修用教材などを公開しています。
看護師が利用できる主な相談先
- 院内のハラスメント相談窓口:職場内のセクハラ、相談後の配置や勤務上の配慮、事実確認などについて相談します。
- 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室):男女雇用機会均等法に関わるセクハラや、事業主の防止措置について相談できます。
- 総合労働相談コーナー:職場のいじめ・嫌がらせや、労働問題全般について相談できます。
- 労働組合や看護職の関係団体:勤務先との調整や、利用できる支援について相談先を探す際の選択肢になります。
- 学校の実習担当教員・学生相談窓口:看護実習中の被害について、実習先と学校の双方に対応を求める際に利用できます。
- 警察:暴行、脅迫、つきまといなど、犯罪に当たる可能性のある行為や差し迫った危険がある場合に相談します。緊急時は110番を利用してください。
労働局の雇用環境・均等部(室)では、事業主によるハラスメント防止措置に関する相談のほか、関係法令に基づく紛争解決援助などの制度について案内を受けられます。相談先を選ぶ際は、勤務先の所在地を管轄する労働局の案内を確認してください。
病院が整備すべき再発防止の仕組み
患者・家族による迷惑行為への対策では、院内方針の明確化、相談・報告窓口の設置、対応マニュアルの整備、職員研修、複数人での対応、必要に応じた外部機関との連携などが重要です。
厚生労働省の医療機関における勤務環境改善に関する資料では、患者・家族からのハラスメントに備えた対策として、相談・報告窓口の設置、院内方針の明確化・周知、対応マニュアルの策定・周知などが取り上げられています。
実際にセクハラが発生した場合、病院には次のような対応が求められます。
- 被害を受けた職員から、安心して相談できる体制を確保する。
- 関係者への聞き取りなどを通じて、事実関係を迅速かつ適切に確認する。
- 被害者の意向や安全を考慮し、担当変更、複数人対応、勤務上の配慮などを検討する。
- 行為者への注意や必要な措置を、状況と院内規程に照らして実施する。
- 相談者や関係者のプライバシーを保護し、相談したことを理由とする不利益な取扱いを防ぐ。
- 個人への注意だけで終わらせず、発生原因を検証し、職員研修や対応ルールの見直しを行う。
患者・家族への対応では、入院時や契約時に迷惑行為に関する方針を説明しておくことも有効です。また、危険が予測されるケースでは、単独での対応を避け、管理者や安全管理担当者と連携する手順を明確にする必要があります。
一方、セクハラの相談があったからといって、直ちにすべてのケースで同じ措置を取ればよいわけではありません。医療の継続性や患者の状態も考慮しつつ、職員の安全と尊厳を守るために必要な対応を、組織として検討することが大切です。
【2026年10月1日施行】求職者等セクハラの義務化と看護実習への影響
2026年10月1日から、ハラスメント対策に関する法改正の一部が施行され、事業主にはカスタマーハラスメント対策と求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務づけられました。これは、看護師が患者・家族から受ける被害への対応に加え、就職活動や実習の場で起こるセクハラを考えるうえでも重要な変更です。
患者・家族からの迷惑行為にはカスタマーハラスメント対策
改正法により、事業主は顧客等の言動による問題に対して、相談体制の整備や、行為を抑制するために必要な措置などを講じる義務を負います。医療機関でも、患者・家族からの暴言、暴力、性的な言動などについて、職員個人に対応を任せるのではなく、組織として対応する仕組みが求められます。
ただし、患者や家族からの苦情がすべてカスタマーハラスメントになるわけではありません。医療の内容や接遇について正当な説明を求めることと、社会通念上許容される範囲を超えた言動によって職員の就業環境が害されることは区別されます。
また、患者・家族によるセクハラが、職場のセクシュアルハラスメント対策や安全配慮などの観点から問題になる場合もあります。実際の対応では、行為の内容や状況に応じて適用される制度を確認する必要があります。
求職者等へのセクハラ対策は看護実習生にも関係する
もう一つの変更が、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策です。厚生労働省によると、対象となる求職者等には、求人への応募者や採用面接への参加者だけでなく、就職説明会への参加者、インターンシップや教育実習・看護実習を受ける人なども含まれます。
この制度が対象とするのは、事業主が雇用する労働者による性的な言動によって、求職者等の職業選択に関わる活動が阻害されるようなケースです。看護実習先の職員による性的な冗談、執拗な私的な誘い、性的な関係を求める言動などが、対象となる状況に当たる可能性があります。
一方、この新しい義務は、患者や家族によるあらゆる行為を直接規制するための制度ではありません。実習生が誰から、どのような場面で被害を受けたかによって、求職者等へのセクハラ対策、患者等によるカスタマーハラスメント対策、学校側の対応などを区別して考える必要があります。
事業主に求められる主な措置
厚生労働省が示す求職者等へのセクハラ防止指針では、主に次の対応が求められています。
- 方針の明確化と周知:求職者等へのセクハラを禁止する方針や、行為者への対処方針を明確にする。
- 活動ルールの整備:面談の時間・場所、実施体制、連絡に使用するSNSなどのルールを定め、関係者に周知する。
- 相談体制の整備:相談窓口をあらかじめ定め、求職者等にも知らせる。
- 事後対応:事実関係を迅速かつ適切に確認し、被害者への配慮、行為者への措置、再発防止を進める。
- プライバシー保護:相談者などの秘密を守り、相談や事実確認への協力を理由とする不利益な取扱いを防ぐ。
この改正によって、看護学生や求職者が、実習先や採用に関わる職員との力関係を理由に相談を諦める状況を改善することが期待されます。ただし、制度が施行されたことだけで被害がなくなるわけではありません。相談窓口が実際に機能しているか、実習生に周知されているか、相談後の対応が適切かどうかが問われます。
【看護師セクハラ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:患者からのセクハラも病院に相談できますか?
A1:相談できます。患者からの性的な発言や不必要な接触などについては、看護師長や院内のハラスメント相談窓口、安全管理部門などに報告してください。危険を感じる場合は、無理に一人で対応せず、応援を求めて安全を確保することが先決です。
Q2:セクハラの証拠がなくても相談できますか?
A2:相談できます。録音やメッセージがなくても、発生した日時、場所、具体的な言動、目撃者、その後の対応などを記録して相談を始められます。防犯カメラの映像や関係資料が必要と思われる場合は、早めに管理者へ保存を依頼してください。
Q3:看護実習中にセクハラを受けた場合、どこに相談すればよいですか?
A3:実習先の相談窓口や担当者に加え、所属学校の実習担当教員、学生相談窓口、キャリアセンターなどに相談できます。2026年10月1日からは、一定の看護実習などに参加する人も求職者等へのセクハラ対策の対象に含まれます。被害の内容に応じて、実習先と学校の双方に対応を求めてください。
まとめ:【プロの結論】看護師セクハラを個人の我慢で終わらせないために
看護師セクハラは、患者・利用者や家族からの性的な言動だけでなく、医師や上司による職場内の行為、看護実習中の被害など、多様な場面で起こり得ます。日本看護協会の2025年調査でも、ハラスメントを経験した看護職員の中で、意に反する性的な言動を経験した人が65.4%に上り、患者・家族と職場内の双方で対策が必要であることが示されています。
被害を受けた場合は、安全確保を最優先にし、日時・場所・言動・目撃者・相談経過などを記録して、院内窓口や外部機関につなげてください。証拠が十分にそろっていない段階でも、相談を始めることはできます。患者や家族からの被害についても、職員一人に我慢を求めるのではなく、組織として対応することが重要です。
2026年10月1日からは、患者等によるカスタマーハラスメント対策と求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が事業主の義務になりました。看護実習や採用活動に関わる場面でも、相談窓口の整備、事実確認、被害者への配慮、再発防止が求められます。
判断の基準は、被害者がうまく拒否できたかどうかではなく、どのような言動があり、どのような影響が生じ、組織が安全を守るために何をしたかです。看護師が安心して専門性を発揮できる医療現場をつくるには、明確なルール、機能する相談体制、実効性のある再発防止策を組み合わせ、セクハラを個人の問題として片づけない姿勢が欠かせません。 (出典: 看護 師 セクハラ(Yahoo!ニュース))